自分の壁・・・看護師は医療や看護の勉強をするだけでいいのか？

自問をする要因になったのは、後輩からの相談です。私は、看護学校で学んだ「寄り添う」事に重点をおき相談にのっていました。経過とともに、徐々に自分の体験談も付け加えたアドバイスをしていました。しかし、それを機に徐々に相談の数が減っていきました。振り返ると後輩の表情は険しくなったと思います。私は、反省し「対人関係の構築が自分本位になっているのではないか？」と自問するようになりました。

後輩の相談がきっかけで、「心の本質」を独学で学び始めました。しかし断定できる答えが見つかりませんでした。そこで、自分の知識の無さを感じ、本格的に心理学の大学で学びたいという思いが固まりました。しかし私には、仕事・育児・家事・学生と4役ができるか不安や迷いはありましたが、自分に足りない部分を補う努力は、いずれ必要になると強く思い、入学を決意しました。

仕事は多忙でしたが、入学後知らない事を学べる楽しさが日々の疲れを払拭する新鮮な感覚や活力となりました。学びが増える度に、理由のある知識が裏付けとなり、また実践でき活かせる喜びが、日々の時間に潤いを与えてくれました。4年間の大学での学びは、予想外な習得もありました。それは「自分」という人間が意外と分かっていないという事実です。つまり、自分が死角となり物事を考えていたので、自分の考え方のクセや歪みを知らずに、他者を理解しようとしていた事です。そこで自分をよく知ることができたことが、「他者の心」を知る大きな変化となりました。

医療は人間関係が必要不可欠です。看護師は忙しさに翻弄され自分を見失う事もあります。ですが大学での学びは、人を理解する上でも、自分にとっても寛容になれると思います。患者や職場のスタッフ、そして自分を支えてくれている家族に対してもこの経験を活かしセコメディック病院の医療貢献につながる事を切に願っています。

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